マジノです 双子のことを考えていたら

私の通う学校のクラスメイトに、双子の女の子がいる。それはそれは可愛らしい顔立ちをしていて、更に小学生と見まがうほどの低身長を誇る女子だ。彼女が双子であることは、学校外でたまたま知ったことであったが、一卵性の完璧な双子である。下の名前も同じ語呂で一文字違い、顔も身長も完璧に一致だ。

そんな彼女は、幼女の風貌でいながら、私が今までに会った中で一番どぎついギャルである。私立とはいえ田舎の校則がきびしめであるこの高校で堂々と化粧を施した顔面で登校し、周囲にはこれまたちゃらい男子がちょろちょろとうろついている。

そしてギャルの特徴として私が思うことの一つに、「髪の長さや色が随時変化する」というものがある。

ある日、まだ私が彼女が双子であると知らなかった時期の出来事だ。私は夜遅くの帰路を自転車で走行中であった。そんな時、私の住む住宅街の入り口に、親子のような兄妹のような二人分の人影が目に入った。しかし距離が近づくと共に、どうやらそれが高身長差カップルであるらしいとわかる。二人の傍らを走り抜ける際に、なんとなしに顔を見てみると、クラスメイトのあの子であった。私は驚いて「あ」と露骨に声を漏らし、それに反応して私と目があった彼女は、走り去る私に意味深な笑みを返して来た。

その時彼女は短髪であった。次の日登校した彼女を見ると、髪がながーくなっていた。前夜の遭遇時以前の髪型をいまいち把握していなかったため、確かなことはわからないが、しばらくして彼女にそっくりの双子がいると知ってから、私は一つの疑惑を考え付いた。つまりは、「あの時見た彼女はクラスメイトではなく、双子の方だったのでは?」というものだ。私は唸った。ギャルの髪型は随時変化する。彼女が登校する前にエクステとかいう小道具を駆使して長髪でやってきていたのであれば、クラスメイトである可能性もある。どっちだ、どっちなのだ。あの意味深な笑みの意味は「私が男の子と夜会ってたってこと、言わないでね?」という雰囲気を発していたのか、それとも「ふふふ、きっとこの人は私を双子の方だと勘違いしているんだな」という雰囲気のものなのか・・・・・・・・。

 

一年も前の出来事である。眠れない日って、なぜかこういうささいな問題が頭に浮かんでくるものだ。思えばこの夏休み、本を読んだり遊びに出かけたりしている意外の時間は、こんなことしか考えていなかったように思う。そして、それに気が付いた瞬間に、夏休みの課題に一切手を付けていないことにも気は付くのだ。

さあ、夏休み終了まで残り一週間足らず。

カウントダウン、スタート